傘はささない
車の中に、傘は3本入っている。
大人用の傘と
折り畳み傘と
小学校から使っている傘
傘を入れている理由は、突然の雨に困るから。
いざというときに、すぐ出せるように。
つまらない話だが小学生用の傘は、職場の行き帰りに使っている。
駐車場から事務所に向かうまで50メートルほど。
傘立てといったものも特にないので、場所をとらずに手軽に使えるといったらこの傘しかなかった。
案外ひとが1人入るには十分なスペースがあるし、何より強度が抜群だった。
先日、テレビ番組を見ていると、「外国人は傘をささない」という興味のわく内容の話があった。
インタビューを受けていたアメリカの男性は「傘を持つのは面倒だ」と言っていた。
イギリスの男性は「少しの雨なら濡れても対して気にしない」と言った。
オーストラリアの女性は「逆に雨に濡れて服がきれいになるわよ」と笑った。
そうか、海外の人は傘をささないんだ。
それでは、何故わたしは傘をさすんだろう?
何かの本かテレビで、こんな諸説を聞いたことがある。
昔、駆け込み寺のようなところで生活をしていた人々は、時期が来るとその寺を出ていかなければならなかった。
着の身着のまま来た彼らは、当然荷物もなにもなく、出て行くときもそのままだった。
雨の降りしきる中、出て行く男性の姿を見かねた寺の僧侶は、彼に1本の傘を差し出した。
何もないけれど、せめてこの雨風を、少しでもしのげますように。
そこから、日本人は雨風をしのぐ、傘を必要としたと言っていた。
もちろん嘘かもしれない。
海外の湿度と日本の湿度が違うとか、ある国ではレインコートが主流だからとか、そんな説もたくさん見た。
ただ、わたしはこの説がとても気に入っている。
少しの雨ならたまには外国の人のように軽やかに歩いてみたり、
昔の人を偲びながら"傘"という慈しみをひろげてみたり、
雨を大切な1日として過ごしてみたいと、そう思う。